ベルギー田舎生活 日々のぼやき

ごく普通のベルギー田舎生活で思いついたことを書いている雑記です。

ベルギーでフリーランスとして働くためにSMARTに登録!SMARTとは?

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フリーランスとして働く人たちのサポートをしているSMARTという団体に登録してきました。

フルタイムの仕事を探し始めたばかりですが、いずれは副業としていろいろやりたいなと。例えば、ずっとやっているベリーダンスを教えたち、インターネット関連のビジネスなど、空き時間にできることを。

お金を儲けることが目的ではなく、趣味の延長のような感じです。

 

ベルギーでフリーランスとしていろいろな教室を開いたりしている人は、だいたいみんなまずはこのSMARTを通じて活動を始め、軌道に乗ったら別の形態に変えていくのが主流です。

ちなみにある条件のもと完全にプライベートの副業として行う場合は、毎月500EURまで非課税となることもあります。それはまた別の機会に書きます。

 

なぜSMARTが必要なのか?

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日本に住んでいた2年間もフリーランスとして通訳や家庭教師のお仕事などをしていました。

日本ではSMARTのような団体に登録しなくても、特に問題なく活動できました。

ベルギーでは税金や社会保障費用などの仕組みが日本とは違うので、SMARTを通さないとちょっと面倒。

消費税を国に納めないといけない

ベルギーでは、サービスを提供したり物を販売して収益を得た場合、そこに21%ものVAT(消費税)が発生します。

基本的にVATはサービスを受ける側=お金を払う人が払います。

このVATは国に納めなければなりませんが、国に収めるにはVAT番号が必要です。

そしてVAT番号は、ちゃんと事業登録をした会社だけがもらうことができます。

企業間取引の場合、企業はVAT番号を持っていてVATを払えるので問題ありません。

 

しかしフリーランスで一般人と契約する場合、一般の人はVATを国に払う術がありません。

例えば、ダンスを教えるとしてレッスンに来る生徒さん1人1人に「VATは個人でちゃんと国に納めてね」とは言えません。

そうなるとフリーランスとしてサービスを提供する側がVATを払わないといけませんが、VAT番号がないので支払えません

所得税を国に納めないといけない

フリーランスであろうと何であろうと、得た所得に対して所得税と社会保障費等を払わないといけません

これは会社勤めと同じです。

毎回いくら所得税を払わないといけないのかなどを計算するのはとても大変。

そして、これらを払う手続きも面倒。

駆け出しフリーランスの事業登録は現実的ではない

私もまだ勉強不足ですが、ベルギーで事業登録するのはかなり面倒だそうです。

そして、うまく事業登録をできたとしても、ちゃんと経理の知識がないとやっていけません。

Accountingサービスを提供している会社はありますが、もちろんタダではありません。

 

となると、フリーランスで生計たてるほどでもなかったり、軽い気持ちでこれから試してみようかな〜というレベルの人がいきなり事業登録するのはかなりハードルが高い。

もはや、非現実な話です。

 

SMARTとは?

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そんなフリーランスの困りごとを助けてくれるのがSMARTという団体。

SMARTは企業として登録されているので、もちろんVAT番号を持っています。

所得税や社会保障費なども払うことができます。

フリーランスの代わりに税金の計算をして、税金や社会保障費を国に納めてくれます。

 

https://smartbe.be

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その仕組みを簡単に言うと・・・

フリーランサーはSMARTに登録することでSMARTの社員となります。しかし仕事は自分で探して自分で稼ぎを出します。

SMARTは私たちがフリーランス活動で得た収益から、いろいろな税金を国に納め、残りを私たちに給与と言う形で返してくれるんです。

 

どういう職種が登録できる?

私は今回ダンサーとして登録しましたが、フリーランスならなんでもいいと担当者が言っていました。

なんなら病院で手術する仕事でもいいんだとか。

幅広い・・・

私の周りはダンス関係ばかりですが、世の中にはいろんなフリーランスがいるんですね。

具体的にいくら払うの?手取りはいくら?

気になるのは、このサービスを使っていくら手元に入るのか?ということ。

Membership Fee

まず、SMARTに登録するのに年間30ユーロのMembership feeを払います。

これを払って初めてSMARTのサービスが使えるようになります。

税金を納めたりするサポートをもらえるだけでなく、SMARTのコアスペースを使ってお仕事をしたりすることもできます。

収入を得たら

まぁまぁ複雑ですが・・・

  1. 生徒から月謝等で収入を得る
  2. まずは全額をSMARTへ一旦支払う
  3. VAT(6%〜21%)が差し引かれる
  4. SMARTの手数料 6.5% が差し引かれる
  5. 必要経費として申請した分を除いた金額に対して、所得税もろもろで45%ほどが差し引かれる
  6. 3〜5を差し引いたお金が自分に支払われる

といった仕組みです。

例えばVAT21%、経費ゼロで100ユーロ稼いだとして、手元に残るのはたった40ユーロ。

おかしくない?ベルギー。

ちなみに、起業するとさらにCorporate Taxが上乗せされるはず。

本当に恐ろしい国・税金地獄 ベルギー

VAT税率

職種やビジネスの契約形態によって変わりますが、ダンサーとして個人教室として教えるのであれば6%。 ArtsticなもののVATは6%でよいというルールがあるそうです。

ダンサーとしてダンスというARTを売るので6%でいいと、SMARTの担当者が教えてくれました。

じゃあ何が21%?と聞くと・・・

例えば、語学学校に勤めて教師として語学を教える場合 は21%だそうです。

適用税率については、SMARTの人に質問するのが確実かと思います。

確定申告はどうするの?

副業したら確定申告が気になりますよね。

ベルギーではどんな企業に勤めていようと、副業があろうとなかろうと、確定申告は個人で行います

毎年1〜2月頃に勤めている会社から源泉徴収が送られて来ます。 SMARTからも同じように源泉徴収が届きます。

その数字を他の収入の源泉徴収に合わせて、確定申告書に記入するだけでオッケー。

 

注意したいこと:労働許可は必要です!

SMARTに登録するには、ベルギーで働いて良いという労働許可は必要です。

永住権を持っている人や、ベルギー人と結婚してファミリービザで住んでいる方は大丈夫と思います。

 

気をつけたいのが、会社にビザサポートをしてもらっている人。

会社からビザサポートありで移住した場合、ワークパーミット タイプB が支給されます。 これは特定の会社でのみ働いて良いという許可なので、SMARTに登録することはできません。(私の3年前の経験より。今も多分同じと思います)

 

また、駐在員の帯同で来ていらっしゃる方は、会社の決まりかワーパミの関係か分かりませんが、労働が許可されていないことが多いかと思います。

この場合もSMART登録は難しいかと思います。

駐在員の税金は特例計算なので、家族が働いて別で収入得てしまうとおかしなことになりそうです(詳しくは知りませんが・・・)

 

SMARTは高すぎる!次のステップも考えています

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趣味延長レベルの仕事にしては税金が高すぎる! というのは、誰もが思っていることです。

 

私の情報源はいつも仲良くしているベリーダンサーさんたち+高校からの友人。

彼女たちも、SMARTみたいな理不尽な仕組み、いつまでも続けていられない! ということで、みんなしばらくすると ASBL(NPO 非営利団体)に変更していっています。

けしてSMARTが悪いわけではなく、稼ぎの半分を国に取られるというこの理不尽さ

 

ASBLはSMART以上に複雑そう。なので今勉強中。

また後日、自分の勉強・情報整理がてら、わかっていることを改めてブログにまとめてみます。